UV印刷とは?
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UV(紫外線)に反応し硬化する材料(UV硬化樹脂)をインクとして印刷し、UV照射により瞬時に硬化させる印刷方法です。
油性インクや溶剤インクを用いた印刷と異なり、印刷後の「乾燥」の代わりに「UV硬化」を行うことで、様々なメリットがあります。
ここでは、UV印刷の活用例や、UV印刷を行うために必要なものなどについて解説いたします。
UV印刷のメリット
印刷には様々な種類がありますが、中でもUV印刷ならではの利点についてご紹介いたします。
生産効率が高い
印刷において、インク塗布後の乾燥時間の長さがボトルネックになるケースは少なくありません。
UV印刷は冒頭でもご紹介した通り、UV照射による硬化で仕上げるため、乾燥時間を短縮することができます。
それにより、生産スピードの向上を可能にします。
また、数秒で済むUV照射は、乾燥のためにかかる電力消費の抑制にも繋がります。
印刷品質が高い
UV印刷で使用するインクは印刷後、UV照射により瞬時に硬化されるため、インクが紙に染み込むことによる滲みや裏移りなどを防止することができます。
また、UVインクはしっかりと硬化されることで、摩擦や熱に強く、耐久性の高い印刷を実現します。
柔軟な印刷が可能
UV硬化で印刷を行うため、インクを吸収しない素材や、インクが密着しにくい素材にも印刷を行うことが可能です。
そのため、UV印刷は様々なアプリケーションで活用されています。
さらに、UVインクの種類も幅広く、光沢のあるインクや蓄光機能を持ったインクなども登場しています。
これらの活用により、印刷の柔軟性が高まります。
環境負荷が低い
UV印刷は、二つの観点から環境負荷の低減に繋がります。
一つ目は、UVインクの材料です。
多くのUVインクは、揮発性有機化合物(VOC)や有害大気汚染物質(HAPs)を使用していません。
そのため、大気汚染の抑制に繋がり、人体への健康被害も低減できます。
二つ目は、乾燥時間の短縮です。
乾燥時間が短いことで、電力消費削減に繋がります。
電力消費の削減はコストメリットだけでなく、環境負荷の低減に貢献することができます。
UV印刷の用途・活用例
ここでは、UV印刷が活用されている具体的な用途についてご紹介いたします。
木材の加工
家具や、住宅などの建物の内装および外装材に使用される木材にUV印刷で加工を施します。
それにより、木材の耐久性や美観性を向上することができます。
ウェブコンバーティング
長尺の原反素材をウェブと呼び、それらに塗装や印刷、ラミネートなどの加工を行うことを、ウェブコンバーティングといいます。
ウェブコンバーティングでもUV印刷が用いられており、紙製品やフィルムなどを対象に活用されています。
工業分野の印刷
自動車や航空機などの部品や、電子機器などへの印刷にもUV印刷が活用されています。
各部品や電子機器筐体などへの印字は、耐久性が高く消えにくいことが求められるため、UV印刷が採用されることがあります。
パッケージ・包装の製造
食品や化粧品など、様々な製品のパッケージ・包装にもUV印刷が用いられています。
UV印刷は、水や湿度の高い環境にも強いため、耐久性が求められる紙製パッケージなどに特に活用されています。
商業印刷
ポスターやチラシ、紙製のカードなどの商業印刷でも、UV印刷はよく用いられる印刷方法です。
特に、長期間に渡り使用される印刷物は、耐久性や印刷品質の高さが求められるためUV印刷が特に適しています。
ラベルの製造
ラベルの製造においても、UV印刷が活用されています。
多様なデザインのラベルに対応し、耐久性が高いため、ラベルの用途の幅を広げます。
その他の装飾・加飾
UV印刷は、様々なアプリケーションの装飾・加飾用途で用いられることも多くあります。
幅広い印刷対象に、ピンポイントな加飾や印字を施すことができるため、装飾の自由度を向上させます。
UV印刷に必要なもの
UV印刷を行うために必要な主要設備および材料をご紹介いたします。
印刷装置
印刷装置には、インクを直接吹き付ける「インクジェット方式」や、版を使って印刷する「スクリーン印刷」「オフセット印刷」「グラビア印刷」などの方法があります。
印刷を行う対象の大きさや用途に応じて、適した装置を選定する必要があります。
UVインク
印刷用のインクには、UVを照射することで硬化する材料を使用します。
光沢や蓄光機能を持ったインクなど、様々な種類の製品が流通しています。
これらはアプリケーションに合わせて使い分けることが可能です。
ただしUVインクを切り替える際は、硬化条件の確認に注意が必要です。
紫外線照射装置
印刷したUVインクを硬化させるために、UV(紫外線)を照射する装置です。
印刷後の硬化工程を担う、UV印刷において重要な設備です。
UVインクがうまく硬化できない、硬化に時間がかかるなどのトラブルを回避するためにも、信頼性のある紫外線照射装置を選定することが重要です。
まとめ
UV印刷は様々な用途において、改題解決に貢献し印刷の可能性を広げます。
アプリケーションに合わせて、適した印刷方法を活用することが大切です。
弊社では、UV印刷用の紫外線照射装置をはじめ、印刷業界における様々なソリューションをご提供しています。
各ソリューションのご質問やご相談など、ぜひお気軽にお問い合わせください。