印刷ラインにおけるUVランプからLEDへの置き換え
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昨今、一般家庭や工業施設においてUVランプからLEDへの置き換えが進んでいます。
印刷分野においては、UVインクの硬化やUV硬化樹脂によるコーティング等にUVランプが使用されています。
では今後、印刷ラインのUVランプもLEDに置き換えるべきなのでしょうか?
ここではUVランプ置き換えの現状や、将来のために有効な紫外線照射装置についてご紹介いたします。
UVランプからLEDに置き換えが進む背景
UVランプの置き換えが進んでいる理由として、水銀の使用があります。
水銀は、公害を引き起こすなど人体に有毒であることはよく知られていますが、環境にも有害な物質です。
そのため水銀の人為的な排出を止め、人体の安全や環境を守ろうという動きが世界で広がっているのです。
実際に2018年から、一部の水銀使用製品の製造および輸出入が禁止されました。
一般照明などの民生用機器では、既に水銀を使用したランプは使用されていません。
一方工業用途などにおいては、法律の施行が延期されていることもあり、一部の水銀ランプが未だ使用されています。
しかし近年、全ての水銀ランプを対象にした製造および輸出入禁止までのリミットも近づいており、産業界でもUVランプからLEDへの置き換えが進みつつあります。
印刷におけるUVランプの活用
あらゆる分野やアプリケーションで印刷技術は活用されています。
従来の印刷では対象物にインクを載せた後、乾燥工程を要していました。
そこでUVを照射することで硬化する材料を用いて、乾燥工程を削減するUV印刷が開発され、現在では広く普及しています。
UVランプは印刷ラインの硬化工程として組み込まれています。
具体的には、印刷後にUV硬化材料でのコーティングや、直接UV硬化インクを使用した印刷などが行われています。
他にも、木材や外装材などの耐久性向上・外観の美化のためUV塗装が行われ、硬化にはUVランプが使用されます。
UVランプとLEDの違い
では、UVランプとLEDにはどのような違いがあるのでしょうか。3つの観点で比較し、解説いたします。
寿命
一般的に、UVランプの有用寿命は数千時間ほどとされており、電極消耗や出力低下により定期交換が必要です。
対してLEDの有用寿命は、製品にもよりますが数万時間とされているものもあり、交換・停止の頻度を大幅に抑えられます。
消費電力
LEDは電力から紫外線への変換効率が高く、UVランプに比較し、消費電力が低減できるとされています。
それにより、電力コストの削減も期待されます。
例えばUVシステム世界大手のGEWのLEDシステムの場合、ランプ光源に比べ50%以上の消費電力削減効果があるとされています。
熱発生量
UVランプは可視光も多く放射するため、基材への熱影響が大きく、冷却や排気を要しがちです。
一方LEDは、基材表面の温度上昇が小さいため、熱に弱い基材でも扱いやすく、印刷における品質面のリスクも低減できます。
UVランプをLEDに置き換えるメリット
UVランプをLEDに置き換えることで、LEDの強みがメリットをもたらすことも期待されています。
高いエネルギー効率によるコスト削減
LEDは、電力から紫外線への変換効率の高さ、無駄な熱エネルギーの発生抑制により、従来のUVランプに比べてエネルギー使用量を大きく削減しています。
結果として、ランニングコストの大幅な低減とともに、環境負荷やCO₂排出の削減にも繋がります。
印刷品質の向上
水銀ランプに比べて熱の発生が少ないLEDは、照射面に対する熱の影響を抑制可能です。
シュリンク基材や熱により影響を受けやすい印刷対象に対するUV照射に有効です。
温度変化に敏感な材料でも高精度の硬化が可能になり、印刷品質や材料適応性の向上が期待できます。
環境負荷の低減
LEDは水銀を一切使用せず、有害なオゾンも発生しないため、環境負荷の低減に貢献します。
また有害物質の削減により、作業者や作業環境の安全性確保にも繋がります。
さらに、熱の発生の少なさは、夏場の工場の暑さ対策に対してもプラスです。
空調費等、間接的に影響を与えます。
UVランプからLEDへ置き換える上でのポイント
LEDへの置き換えは、近い将来必須となるでしょう。
しかし、これまで使用していたUVランプと同等のパフォーマンスが得られるかが気になるところです。
実際、UVランプとUVLEDでは、出力される光の性質や強度は全く同一ではありません。
そのためそのまま置き換えるのではなく、事前に検証を行うことが一般的です。(弊社でも検証にご協力可能です。お気軽にお問い合わせください)
時代の流れとしてUVインクメーカー各社も、LEDでのUV硬化を見越して日々研究開発を進めており、LED対応のUVインクが登場しています。
UVランプからLEDへの置き換え検討の際は、単価の違いだけではなく、消費電力や光源の交換コスト、環境対応による社会要請への対応等、トータルで見て判断しましょう。
LEDへの置き換えに最適なUV LED照射装置
UVランプからLEDへ置き換えを検討する上で、最有力製品をご紹介いたします。
弊社で取り扱うGEW社のUVシステムです。ラベル印刷用途で世界シェアNo.1の実績を持ち、他にも様々なアプリケーションで豊富な実績があります。
低消費電力、高出力のほか、大きな特徴としてスライド式のランプカセットを付け替えるだけで、UVランプとLEDを容易に切り替えることが可能です。
つまり、同じシステムでランプからLED、LEDからランプへ、光源の付け替えが可能であり、現在ランプ光源をご利用中のお客様においても、将来に渡って多様な選択肢を提供できるこのUVシステムは設備投資における安心をご提供するものと思います。
UVランプからLEDへの置き換えや、先々のための準備を検討されている際は、ぜひお気軽にご相談ください。


