ロータリダイカッターだけではない。ラベル印刷後加工(ダイカット)の最新情報
シール・ラベル印刷業界では多品種小ロット生産が進み、デジタルラベル印刷機の普及も進んでいます。
他方で、デジタルラベル印刷機は「後加工」が生産のボトルネックとなることから、刃型不要の高速なダイカットが求められています。
当記事では、従来の「ロータリーダイカッター」の他にも存在する、高速な「後加工機」についてご紹介します。
高速な後加工機といえばロータリーダイカッター
ロータリーダイカッターは筒状の回転式の金型によって、基材の打抜き加工や罫線加工を行います(ロータリーダイカット)。不織布やフィルムなどの高速切断に対応できます。
おむつやマスク、衛生用品を始め、幅広い用途で用いられています。
メリット
- 高速で生産性が高い
金型抜き加工などと比較し、高速でのダイカットが可能です。
生産スピードが求められる現場で活躍します。
デメリット
- 刃型が必要で小ロット生産に向かないため、デジタルラベル印刷のボトルネックに
ロータリーダイカッターはおむつや、衛生用品など、多くの需要が見込める製品の加工で用いられていますが、多品種小ロット生産が進んだシール・ラベル印刷では使いづらい状況です。
刃型不要で高速なのはレーザーダイカット装置
デジタルラベル印刷のボトルネックとなる「後加工」の問題を解消するのが「レーザーダイカット装置」です。
大きな特徴は「刃型が不要」という点です。
レーザー光によって、シール・ラベルを狙った形に切り抜きます。
こちらはレーザーダイカット装置「ABG Digilase4.0」による後加工の様子です。
基材に向けてレーザー光が照射され、シールの枠線に沿って、切り抜かれていることがわかります。
メリット
- 高速で生産性が高い
- 刃型不要
- ジョブ替えがラクで熟練した技術も不要
- デジタルラベル印刷機と接続できる
デジタルラベル印刷機との相性が良いことから、小ロット化が進んだシール・ラベル印刷では「レーザーダイカット装置」が生産スピードのボトルネックを解消する後加工機として期待を集めています。
デメリット
- 大量生産ではロータリーダイカッターの方が高速
大量生産の場合は、ロータリーダイカッターに優位性があります。
レーザーダイカット装置 製品情報
低速だがデジタル対応 カッティングプロッター
カッティングプロッターは入力データに基づいて動作するペン状のカッターによって、様々な基材を切り取ります。
カッティングプロッターはカッティングマシンとも呼ばれるもので、業務用に量産ラベルに対して後加工することを想定された機種があります。
メリット
- デジタル対応
カッティングプロッターは、コンピューター制御で動作します。
事前に作成したベクター情報をベースに、データの線をなぞるようにカッティングします。
デメリット
- 低速で1枚1枚時間を掛けて抜き加工をするので1点モノ以外は向かない
正確で、なめらかな切り口が特徴のカッティングプロッターですが、低速な点が課題でした。
業務用の高速さをうたう機種であっても、実際は量産レベルの速度は出ず、生産のボトルネックになっているケースがあります。
高速カッティングプロッターが登場
高速カッティングプロッターは、マルチヘッド構成で高速でのダイカットを実現。
またCCDインテリジェントレジストレーションシステムによる「±0.1㎜の高精度」を実現します。
メリット
- レーザーに次ぐ高速ダイカットで生産性が高い
- 刃型不要
- ジョブ替えがラクで熟練した技術も不要
- デジタルラベル印刷機と接続できるため多品種小ロットに適する
デメリット
- 大量生産ではロータリーダイカッターの方が高速
速度に加え、操作性が良く、熟練した技術が不要な点も強みです。
高速カッティングプロッター 製品情報
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