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帯電防止剤とは

帯電防止剤とは、塗布した対象物が静電気を帯びる状態になることを防ぐ薬剤を指します。
帯電防止剤には方式として大きく分けて2つあり、「電気を通し逃がすことで静電気を溜めない方式」のものと、そもそも対象物に「帯電しない性質を付与する方式」の製品があります。

帯電防止剤について順を追って簡単に解説します。

帯電防止剤が必要な理由

前提として、帯電防止剤が必要な理由から解説します。

世の中には静電気を帯びると不都合が起こるものが多く存在します。

不都合1.くっついてしまう

発泡スチロールを壊した際に、小さなつぶつぶが体にまとわりついて面倒な思いをしたことがある方は多いことでしょう。帯電してしまうとモノ同士が引き寄せられ、くっついて離れなくなります。

この現象が生じると困ることは世の中に多くあり、例えばカップ麺のかやく袋が帯電すると、充填する際に支障が出る/袋が空かなくなる/具材が出せなくなるといった問題が生じます。

実際に、当社の帯電防止剤はカップ麺において多く採用されています。
他にもホコリが付かないよう静電気対策を行なうケースがあります。

不都合2.ダメージを受けてしまう

静電気は電気のため、電気としてのエネルギーを持ちます。
静電気を帯電した手でドアノブを触ると、「バチッ」と衝撃が襲います。

これは、電気製品、特に半導体デバイス等の精密機器に対して、非常に危険なレベルのダメージを与える恐れがあります。そのため、帯電防止剤により静電気の帯電を防止する必要があります。

当社の帯電防止剤もこの用途で多く利用されています。

帯電するということはどういうことか?

「帯電する」とは、文字通り、モノが「電気を帯びた状態」を指します。

金属のような電気を通しやすい素材と異なり、プラスチックなどの電気を通しにくい素材では電気を帯びてしまうと電気が逃げず(移動せず)、その場に留まります。それが静電気です。

電気が帯電したまま溜まったものが静電気

帯電の仕組み

物体同士の接触等によって、電気的な性質が偏ることで、静電気が発生します。

全ての物体は、原子で構成されています。
原子は「原子核」と「電子」で構成されています。

原子核は、陽子(正の電荷を持っている)と中性子(電荷を持たない)からできています。

さらに、原子核の周りを電子(負の電荷を持っている)が飛び回っています。

通常、陽子と電子は釣り合う状態になっており、電気的には「中性」の状態です。(帯電していない状態)

しかし物体同士が接触することで電荷の移動が起こります。

移動後、正負の電荷が相対する形で、連続して分布した状態(電気二重層)に変わります。
この時、それぞれの電気的な性質がプラスとマイナスに偏っています。

接触によって電荷が移動し、電気的なバランスが崩れた物体同士が分離すると、帯電します。

絶縁体は除電されない

「静電気を帯びた物体」が、電気を通す「導体」の場合、接地によって除電されます。

他方で、絶縁体の場合、一度発生した電気は絶縁体の表面に溜まる(帯電)のため、一部が接地されても除電されません。

例えば「プラスチック」も絶縁体です。
ですので、プラスチック製のものが帯電した場合には除電しにくい状態になります。

このため「帯電防止剤」を用いることで導電性を高め、静電気を溜めずに逃がします。

帯電防止剤の2つのアプローチ

1.溜めずに逃がす

対象物の表面の電気抵抗を減らし、電気を通すことで静電気を放出するというアプローチです。
一言で言うと「溜めずに逃がす」方式です。

これを実現するためには、対象物の表面に、帯電防止剤が露出している必要があります。
電気を通す性質を持つ帯電防止剤を塗布したり、素材に練り込んだりします。

塗布型

基材の表面に塗布して使用するタイプです。

後述の練込型2種に比べ、即効性があります。
しかしその効果は一時的なため、耐久性が必要な用途には不向きです。

練込ブリードアウト型

製造過程で帯電防止剤を、フィルム等の基材に練り込むタイプです。

時間が経過するにつれて、基材中に含まれる帯電防止剤が表面に移動する現象(ブリード)が起こり、帯電を防止します。

仕組み上、帯電防止剤が表面に露出して、効果を発揮するまでに時間を要することがあります。

練込永久型

練込ブリードアウト型と同様に、製造過程で帯電防止剤を基材に練り込むタイプですが「耐久性」が異なります。

一般的な練込ブリードアウト型の効果は1年程度ですが、練込永久型は長期間、効果が持続します。

練込永久型は薬剤の添加量が多いという課題があり、薬剤に内容物を触れさせたくない場合は望ましいとは言えません。

2.そもそも帯電させない

静電誘導防止性を付与することで、そもそも帯電させないというアプローチです。
静電気が起こる仕組みを逆算して生まれたのがこの方式で、実は多くの製品で長年使用されている実績のある方式です。
ラミネートフィルムの1層を、静電誘導防止性を付加する帯電防止剤を塗布した層とすることで実現可能です。
また、この方式の場合、薬剤が表面に露出しないため、内容物が薬剤に触れることを嫌う用途に適しています。さらに擦れて摩耗することも無いため、効果が10年程持続するというメリットがあります。

静電気を溜めずに逃がすタイプの帯電防止剤では実現できないケースでも、BONDEIPなら可能性があります。
是非一度お問い合わせください。

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