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パルプモールドとその代替技術

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パルプモールドは、パルプによる成形品であり、またその成形品の加工方法を指して使われることもあります。新聞紙、段ボール、雑誌などの古紙が主な原料として使用されます。

パルプモールドの特徴

紙を原材料として使用することで、通気性や保水性が高く、クッション性・高い耐荷重性能も持っています。また、さまざまな形状に成形できるため、幅広い用途に使用可能です。

パルプモールドは古くから梱包材や緩衝材として使用されてきましたが、近年では環境への配慮からプラスチック使用の削減が求められるようになり、プラスチック製の梱包材や緩衝材に代わる技術としての活用が注目されています。

パルプモールドの用途

卵や青果物の梱包材、電子製品の緩衝材のほか、重量のある機械設備や部品の梱包材にも活用されるようになっています。

また薄く複雑な形状を成形することもでき、生産性から製造原価は高くなる課題はありますが、平滑な表面を持つ食品容器やデザイン性の高い製品パッケージとしても使用されています。

パルプモールドの製造工程

まず材料となる古紙等を、水に混ぜて細かく粉砕しながら撹拌します。水とパルプ繊維だけになった液体に、金型を浸漬、金型表面にパルプ繊維を吸引し積層することで成形します。
パルプモールドの製造方法はこの後の工程で、2種類に分けることができます。

ドライモールド

金型に積層し形成されたパルプ繊維を、乾燥機などで水分を蒸発させ固めて製造します。乾燥後にプレスを行い、厚みや表面の調整を行うこともあります。
製造時間が短く、安価に製造することが可能です。緩衝材や、食品・工業製品の梱包材が主な用途です。

ウェットモールド

金型に積層し形成されたパルプ繊維に、熱でプレスを施し乾燥させながら成形を行います。
ドライモールドと比較し、滑らかな表面に仕上がる反面、製造時間は長く、コストが高くなる傾向があります。主な用途には、製品のパッケージといったデザイン性の求められるものが挙げられます。

パルプモールドの欠点

紙製品であるパルプモールドは環境負荷の低さ、脱プラスチックの点で魅力的ですが、課題もあります。

生産性の低さ

水を使ってパルプを成形することから、乾燥に時間を要し、生産性は低くなります。

電力消費の高さ

電力消費量の高さが課題になります。

設備設置場所の制約

排水処理などの特殊な設備が必要なため、設置場所に制限があります。また、水の使用量も多くなります。

パルプモールドの欠点を解消する
ドライペーパーフォーミング

ドライペーパーフォーミングは、乾燥状態の紙材を使用し、成形前に若干の水分と添加剤を材料に含ませて容器を成形します。

水をほとんど使用しないため排水設備は不要で、乾燥に掛かる時間が非常に短いことから生産性が高い技術です。
電力消費も少なく、脱プラスチックに加えてCO2排出削減においても環境に優しいものづくりに貢献します。

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