ラミネートチューブの製造方法
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ラミネートチューブの製造方法について、必要な機械、材料、工程を解説いたします。製造のために必要な具体的な製品についてもご紹介いたします。
ラミネートチューブとは
ラミネートチューブの製造には、複数のフィルムを貼り合わせてできたラミネートフィルムが使用されます。歯磨き粉用チューブの多くはラミネートチューブです。
ラミネートチューブの種類
ラミネートチューブには、使用されるラミネートフィルムや形状などによってさまざまな種類があります。
ラミネートフィルム
代表的なものとして、「アルミバリアラミネート(ABL)」と、「プラスチックバリアラミネート(PBL)」があります。
アルミバリアラミネートはラミネートフィルムにアルミ層を含むものです。耐光性、耐酸素・水蒸気透過性に優れているため、高いバリア性があります。また、素材を活かしたメタリックな質感の容器デザインにすることも可能です。
プラスチックバリアラミネートは、プラスチック材料で構成されています。高いバリア性を持たせるためにラミネートシート内にEVOH等のバリア性のある素材を使います。
その他、より高いバリア性を実現するために、極薄の蒸着層がABLやPBLフィルムの内層に含まれることもあります。
また、環境対応・リサイクル性を重視し、単一素材のみでラミネートされた、またはそれに準ずるモノマテリアル仕様のフィルムも使用され始めています。
ラミネートフィルム商品
高品質なAMCOR社のラミネートフィルムは、グローバルブランドのラミネートチューブにも採用されています。また、環境配慮型のラミネートチューブ用原反も取り揃えています。
製品詳細
ラミネートチューブの形状
ラミネートチューブには、キャップ部分が真円型の一般的なチューブと、楕円型のオーバルチューブがあります。オーバルチューブは印刷面を広く使えることから、意匠性の面で好まれることが多くあります。
また、チューブの肩口部(ヘッド)は、キャップを締める際の内側形状に対応し、その種類は多岐に渡ります。
ラミネートチューブの材料・原反とは?
ラミネートチューブを製造する場合、ラミネートフィルムを材料として用います。
通常ラミネートチューブはそれなりの数量を生産するため、フィルムがロール状に巻かれたラミネート原反が使用され、ラミネートチューブ製造機にセットされます。
ラミネートチューブ製造を検討するのであれば、材料としてラミネートフィルムメーカーから原反を調達することになるでしょう。
ラミネートチューブ製造に必要な機械
ラミネートチューブの製造には下記の装置が使用されます。
ラミネートチューブ製造機
ラミネートチューブの製造過程では、大きく分けて「ボディ成形」「ヘッド成形」「キャップ締め」があります。これらが別々の機械として提供されている場合もあれば、統合された一つの装置・システムとして提供されている場合もあります。
チューブ箱詰め機
製造された大量のラミネートチューブを、移送のための箱に損傷させることなく自動的に詰める機械です。
ラミネートチューブの製造方法
各工程について順を追って解説します。
工程1ラミネートチューブのボディ成形
ラミネートチューブは、まず原反を円筒形(筒状)に溶着することで、チューブ本体(ボディ)を成形します。ボディを成形する機械は、「サイドシーマー」「シーマー」「ボディメーカー」などと呼ばれます。
ボディ成形のポイントとして、継ぎ目の強度と美しさという観点があります。
強度が弱いと
成形時に十分なバリア性が確保できないと、内容物の劣化、継ぎ目からの漏れやチューブの破裂、はがれの原因となります。
継ぎ目の美しさ(美観性)
近年利用が増加している化粧品用チューブはもとより、歯磨き粉用チューブでも継ぎ目の美しさは非常に重視されます。
工程2ラミネートチューブのヘッド成形
工程1で成形したボディに、ヘッドを付けます。
ラミネートチューブ製造機のうち、「ヘッダー」と呼ばれる装置により肩部が成形され、ボディと接合されます。
工程3ラミネートチューブのキャップ締め
成形されたヘッドに対して、キャップを締めます。
キャップを締める機械は「キャッパー」「キャッピング機」などと呼ばれます。
キャップの反対側は筒状のままで閉じられておらず、後の充填工程で内容物が充填されます。
工程4チューブの箱詰め
ラミネートチューブは、キャップ締め後に充填工程へと進みます。
充填工程がチューブの成形工程とは別の工場で行なわれる場合、移送のための箱詰めが必要です。
箱詰めを行う機械は、「箱詰め機」「パッカー」「ケーサー」などと呼ばれます。
チューブの箱詰めでは、チューブの並べ方や箱の形状があらかじめ決められています。充填を行なう側の要件によっては、格子状の仕切り付きの箱や二段箱に箱詰めするなど、特殊な仕様に対応する必要があります。そのため、箱詰め機を導入する際はそのような特殊仕様に広く対応しているチューブ箱詰め機を選ぶと良いでしょう。
工程5内容物の充填・綴じ
充填工程では、チューブのキャップとは反対側の、まだ綴じられていない側から内容物を注入・充填し、開口部を綴じる処理を行ないます。
その他、各種検査やチューブにシュリンクフィルムを巻く、充填後のチューブを出荷用の箱に挿入するなど、製品によっては前後で細かな工程が含まれます。
FAQ
ここまでまとめて来ましたが、気になると思われる事柄を追記いたしました。
- Qチューブへの印刷はどのタイミングで行うか?
- Aラミネートフィルムに印刷する、ラミネート前のフィルムに印刷した上でラミネートする、などチューブの製造工程前に印刷されることが一般的です。一部のチューブでは、ボディが成形された後に印刷されます。
- Qラミネートフィルム用印刷機はどのようなものがあるか?
- A旧来はグラビア印刷機で行なわれていましたが、近年では環境問題のためフィルム用のフレキソ印刷機をお勧めしております。海外では既に主流となっています。
- Qラミネートチューブ用原反は取り扱っているか?
- Aはい、お取り扱いがございます。
当社ではグローバルメーカーAMCOR社製のフィルムを取り扱っています。
既に海外のチューブメーカーやブランドオーナーに採用されている環境対応型のラミネート原反もラインナップされているため、ご興味がある場合は一度お問い合わせください。
- Q充填機は取り扱っているか?
- Aはい、化粧品・製薬・食品に対応した充填機もございます。
ラミネートチューブ製造機 グローバルメーカー
PackSys Globalのご紹介
ラミネートチューブ製造機分野において全世界で高い納入実績を誇るメーカーがPackSys Global社です。
当社はPackSys Global社のパートナーとして、長年ラミネートチューブ製造機を供給・サポートしています。
ラミネートフィルム原反 グローバルリーダー
AMCOR社のご紹介
AMCOR社は、食品、飲料、医薬・医療、およびホーム・パーソナルケア用パッケージング材料のグローバルメーカーです。